【NieR:Automata(ニーア・オートマタ)】リプレイ記③~運命はいつもお遣いから動き出す~

※このプレイ記は本作のネタバレを含みますことご了承ください※

※筆者は本作をいちどクリア済みであり、再プレイの記録となりますが、初見のときに感じたことを思い出しながら書いていこうと思います。作品をプレイしたことのない方にもストーリーがわかるように記載する予定です※

※ハードモードに挑んでいるため、よく死にますがご容赦ください※

 

~緩やかな時間~

 

地上のレジスタンスとの合流および情報収集の指令を受け、地球へと降下した2Bおよび9Sの両名。

 

風のそよぐ廃墟都市に降り立つと、朽ちたビルの谷間を機械生命体たちが我が物顔で歩き回っているのが目に入る。

 

工場廃墟後で散々痛い目を見せられた直後なだけに、考えるよりも先に指が反応し、剣を抜いてしまう。

 

しかし、向こうは緩慢な動きであたりをうろうろするばかりで、一向に襲ってくる気配がない。

 

 

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後ろに群れている鹿も気になるが、とりあえず機械生命体と並んで歩いてみる。 

 

9S曰く、最近はこういう機体が増えているのだという。

 

敵対しているはずのアンドロイドをなぜ襲ってこないのか。その答えは定かではないが、無害な相手をむやみやたらに倒す趣味はないので、攻撃をしてこない限りはこちらからも攻撃はしないことにする。

 

ちなみに、敵性反応があるかどうか、言い換えれば襲ってくる個体かどうかを見分けるには、機械生命体の目を見ればいい。

写真にあるとおり白っぽい目をしている個体は敵性反応はないが、これが赤色に輝いている個体はこちらに容赦なく攻撃してくる。

つまり、赤い目の個体は敵、とおぼえておけばいいわけだ。

 

草原を動き回る機械生命体たちを飽くまで観察した私は、彼らに別れを告げて目的地のレジスタンスキャンプへと向かうことにする。

 

 

~地上に生きるアンドロイドたち~

 

ビル群のまっただなかに突然あらわれる小川、その清らかな流れを越えて、いささか急な勾配を駆け上がった先にレジスタンスキャンプはある。

 

目印のようにかけられている白いサンシェードは、2Bたちを日の光から守ってくれる。アンドロイドとはいっても、やはり機械である。直射日光やそれに伴う温度上昇には決して強くはないのだろう。日の光を受けて映える白い幌は、ハードモードの厳しさにささくれ立った私の気持ちをいくぶん清々しくさせる。

 

 

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キャンプは大勢のアンドロイドで賑わっている。広場の左右には道具屋や武器屋、それに簡易な造りではあるが診療所のようなものまであって、レジスタンスに所属するアンドロイドたちが各々の仕事をこなしている。

 

広場の中央に咲いた白い花は、誰が何のために植えたのだろうか。大勢のアンドロイドたちが行き交うなか、踏み潰されることもなく咲いているその花たちは、きっとここにいる皆にとって大切な意味を持っているに違いない。そんなことを考えながら、キャンプのリーダーであるアネモネのもとを訪ねる。

 

よく言えば落ち着いた、悪く言えば"機械的"な語り口のアネモネは、2Bを見るなり「二号・・・・・・」と呟く。

 

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初対面のはずであるのに、いったい誰と見間違えたのだろうか。首をかしげる私であったが、アネモネは「バンカーから連絡が来ていたからな」と、明らかに話をはぐらかす。モヤモヤした気持ちが残るまま、彼女の話を聞くことには、自分よりもそのあたりにいる仲間たちのほうが詳しい情報を持っているだろうとのこと。自由に話を聞いて構わないようなので、道具屋と武器屋に話を聞いてみることにする。

 

 

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道具屋は回復薬や強化薬などを取り扱っており、本来なら義体強化用のプラグイン・チップも販売しているようであるが、今は機材不調でチップを売ることができないのだという。専用の資材を都市内で調達してくれば、機材を修理することができるらしいのだが、この彼、足を痛めていて自由に動き回ることができないのである。

自分よりも、戦力になる者を優先しなければ。そういって足の修理を後回しにしている彼のために、2Bたちは資材集めを手伝うことにする。

 

お次は武器屋である。この屈強そうな、道具屋の言葉を借りれば戦力になりそうな男もまた、問題を抱えているようである。

 

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過去の遺産である武器を整備して販売している彼であるが、なんと道具が壊れてしまい、武器の整備ができないという。ここでもいろいろあって、2Bと9Sが修理用の資材を取ってくることになる。

 

いわゆる"お遣いクエスト"を立て続けに受けてしまった私。初見の時は、こんな小さな仕事ではなく、早く大きな敵や強い敵と戦いたいなどと思っていたが、ハードモードだとそんなことは少しも思わないし、もっと言えば道ばたの敵にだってサクッとやられる可能性さえある。

そういう状況下にあると、この手のお遣いクエストも癒やしに思われてくるのであった・・・・・・。

【NieR:Automata(ニーア・オートマタ)】リプレイ記②~歴史の質感~

※このプレイ記は本作のネタバレを含みますことご了承ください※

※筆者は本作をいちどクリア済みであり、再プレイの記録となります。しかし、作品をプレイしたことのない方にもストーリーがわかるように記載する予定です※

 

 

ー人類に栄光あれー

 


 これから幾度となく聴くことになる言葉。それは機械たちを導く標か、それとも・・・・・・

 

 

~再会と悔恨~

 

 

 

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ブラックボックス反応による大爆発に巻き込まれたにもかかわらず、基地らしき場所に佇んでいる2B。

 

内部を進むと、同じく爆発により消失したはずの9Sと遭遇する。

 

「作戦は成功でしたね」

 

あれだけの壮絶な出来事の直後にもかかわらず、9Sの声はいやに落ち着いている。

 

 

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ブラックボックス反応による敵勢力の殲滅。それによって工場廃墟跡周辺の地域へ勢力を拡大する可能性が高まったことを9Sは淡々と説明するが、2Bが彼の言葉を遮る。

 

「9S・・・」

 

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そう。あの激しい戦闘の最中、9Sは2Bの義体内部のデータをこの基地にアップロードしていたのだ。

 

彼女たちヨルハ部隊のアンドロイドは義体内部のデータをこの基地にアップロードしていれば、先のように死んでもまた蘇ることができるのである。

 

しかし、二人の義体は確かに爆発に巻きこまれて消滅したはず。とすれば、いまここにあるのは別の義体ということになろう・・・・・・。

 

いずれにしても、こうして二人とも無事に戻ってこられたことは喜ばしいことである。

 

が、9Sは戸惑いがちに、自分はそのときのことをおぼえていない、と答える。

 

聞けば、あの工場廃墟跡の一帯は通信帯域が細かったため、おそらく一人分のデータしかこの基地"バンカー"に送ることができなかったのだろうとのこと。そして9Sは自分ではなく、2Bのデータを送ることを決断したというわけである。

 

もちろん、9Sも定期的にデータのバックアップをとっているため、こうして別の義体に再生することが可能だ。しかし、彼の記憶は最終バックアップ時、つまり2Bと出会う直前までのものしか残っていない。工場内で2Bと交わした会話も、彼女を命がけで守り、自らの記憶を犠牲にして彼女のデータを基地へ送ったことも、彼はおぼえていないのだ。

 

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「人類に栄光あれ」

 

ヨルハ部隊のアンドロイドたちの間でたびたび交わされる合言葉。

 

一度も見たことのない人類への忠誠を表すその言葉を放ち、9S。だが2Bは振り返ることもなく、何かに耐えるように拳を握りしめる。

 

ちなみに、この合言葉を言うときの、胸に手を当てるポーズに『進撃の巨人』を連想してしまうのは私だけだろうか。

 

2B役の石川由衣さんはミカサ役もやっておられるし・・・・・・。

 

その後、オンライン機能を使用するか否かの選択画面に移行するが、当面はオフにしようと思う。理由についてはまた追々説明したい。

 

~機械たちの歴史~

 

 

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西暦5012年、突如として地球に侵略してきたエイリアン。彼らは大量の機械生命体を地球に放ち、人類は壊滅状態となる。

 

わずかに残った人類は月へと逃げ延びたが、地球は機械生命体たちに侵食され、人類の栄華はやがて歴史の砂時計の底へと沈んでしまう。

 

残された人類はアンドロイド軍を組織し、西暦5204年に衛星軌道上の基地群から大量のアンドロイドを用いた反攻作戦が開始。

 

十数回もの大規模降下作戦が行われるも、機械生命体たちを退けるまでには至らず、戦況はやがて膠着状態に陥ってゆく。

 

機械たちの織り成す無機質な均衡。

 

それを破るために投入された、決戦兵器―ヨルハ部隊。

 

2Bたちが活躍するのは西暦11945年なので、およそアンドロイドと機械生命体たちの戦いは実に6000年以上にわたって続いていることになる。実におそるべき長さである。

 

 

~新たな指令~

 

9Sによる起動セットアップ―画面の明るさや音量等の設定―を終えた2Bは、司令官の待つ司令室へと向かう。

 

 

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この人が司令官であり、ヨルハ部隊の基地であるここバンカーを指揮する立場にある。

 

いつも司令室の巨大なモニターを見つめており、背後から話しかけると異様な速さで振り返ってくる人である。

(※あの振り返る速度がいつも気になります。私だけでしょうか・・・・・・)

 

2Bたちは基本的に彼女から与えられた任務を遂行していく。

 

最初の任務は、地上にいるレジスタンスのアンドロイドたちと合流し、情報収集を行うこと。

 

この任務にはもともと別の隊員があてがわれていたが、彼らとは連絡がとれなくなってしまったという。その原因をつまびらかにすることも、本任務の目的に含まれている。

 

きな臭さを感じずにはいられないが、2Bは迷うことなく司令官の指示に従う。彼女の抑揚のない声色は、感情を持つことは禁止されている、という言葉を私に思い出させる。

 

ちなみにこの司令室にはほかにも多くのヨルハ部隊員がいて、2B専属のオペレーターである6Oと9S専属のオペレーターである21Oにも話しかけることができる。

 

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2B専属オペレーターである6O。地上の植物や風景に関心を持ち、占いなどにも興味津々という、いわゆる女子力高めのアンドロイド

 

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9S専属のオペレーター、21Oは対照的にツンとした印象のアンドロイドである

 

地上ではこの二人のサポートを受けながら任務を遂行していくことになる。そのほかにもバンカー内にはいろいろなアンドロイドたちがいて、それぞれに個性を持っている。それだけに、異常なまでに感情を抑えこむ2Bの厳格さが際だって見える。

 

ちなみに、オペレーターの一人から、とあるアンドロイドが砂漠でポッドを紛失したので、見つけたら回収して欲しいと頼まれる。砂漠を訪れた際には、探してみるのもいいかもしれない。

 

 

~再び地上へ~

 

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飛行ユニットに乗り、再び地上へと向かう2B、9Sの両名。

 

あの壮絶な死を経験したばかりだというのに、また戦場へ赴くというのは、どういう気分なのだろうか。

 

もしも私が同じ立場にあったなら・・・・・・月並みではあるが、そんなことを考えながらコントローラーを握っている。

 

 

行く手を阻む機械生命体たちを撃ち落とし、二人は地上を目指して進んでいく。

 

 

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そして降り立った先に広がっているのは、草木に侵食され、朽ち果てた都市のなれの果てだった。

 

 

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廃墟都市――

 

そこは廃墟と呼ぶにはあまりに明るく、生命力に満ち満ちていた。

 

日光に薄明るむ草原の果てを追えば、草木にからだじゅうを侵されたビル群が建ち並び、かつて多くの人とモノを運んでいたであろうハイウェイは、歴史の見えない剣によって分断されてしまっている。

 

遠くには一等背の高いビルがそびえ立っているが、隣の少し背の低いビルが、疲れたようにその身を預けている。長い間そうしてきたのだろうか。いつ崩れてもおかしくない二棟のビルはしかし、死後硬直的な安定性を保っているかのようにも見えた。

 

歴史に蝕まれた都市。

 

その細胞ひとつひとつであるところのビル群は一様に木々の帽子をかぶり、強すぎる光から身を守っている。ビルの隙間を縫う緩い風が木々の枝葉を揺さぶり、その音がときおり遠くざわめきのように響くのが聞こえる。

 

光――

 

思えばこの世界には、青空というものが見当たらない。天を仰いだ先に広がるのは強烈な光によって白く染められた空と、その下を緩慢に流れる雲だけだ。

 

光に呑まれたこの大地で、機械たちは6000年以上にわたって戦いを繰り広げてきた。

 

彼らが織り成す生と死の螺旋はいつか、人類がいるという月まで伸びゆくだろうか。

 

そんなことを思いながら、眼下に広がる"壊れた世界"へと目を向ける。

 

ここから、二人の物語は動き出すこととなる。

 

 

 

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【NieR:Automata(ニーア・オートマタ)】リプレイ記①~全ての存在は滅びるようにデザインされているのか~

※このプレイ記は本作のネタバレを含みますことご了承ください※

※筆者は本作をいちどクリア済みであり、再プレイの記録となります。しかし、作品をプレイしたことのない方にもストーリーがわかるように記載する予定です※

 

 

 

 

ー全ての存在は滅びるようにデザインされているー

ー生と死を繰り返す螺旋に……ー

ー私達は囚われ続けているー

 

 そんな"絶望的"な言葉とともに、このゲームは幕を開ける。

 

【NieR:Automata(ニーア・オートマタ)】

 

2017年に発売されたこのゲームを再びプレイすることにしたのは、ちょうど昨日が発売3周年にあたる日であったからだ。

 

再び、と述べたとおり、私はこのゲームを発売直後に購入し、ひととおりプレイ済みである。しかし当時は公私ともに忙しく、ゲームに裂ける時間があまりなかった。サブクエストもほどほどに、まるで光が世界を駆け抜けるような速さでエンディングまで突き進んだ過去は、一つの後悔として心の中にわだかまっていた。

 

そんなおり、本作が3周年という節目を迎えたことを聞いて、再びプレイしようと思い立ったわけである。PS4版をすでに所有しているが、現在はプレイ環境の整っているパソコンを持っているため、あえてPC版を購入してプレイしてみることにした。

 

また難易度も、前回から一つ上げてハードに挑戦したいと思う。さらに上のベリーハードという難易度もあるが、これは一撃死マストなので挑戦しようという気さえ起こらなかった。

 

まずは本作の簡単なあらすじを紹介したい。

 

【あらすじ】

今から遠い未来のこと。突如として地球に侵略してきた異星人と、彼らが放つ機械生命体。その驚異的な力を前に、人類は月へと逃げ延びていた。

地球を取り戻すため、人類はアンドロイドによる軍団を組織するも、長きにわたる戦いの末に両者の関係は膠着状態と化す。

この戦況を打破することを目的とし、投入された新型アンドロイド「ヨルハ部隊」。

その一員である2Bは、パートナーである9Sとともに機械生命体たちの巣食う地球で熾烈な戦いに身を投じていくことになるのだが……

 

なお、本作は前作『ニーア・レプリカント』の続編ではあるものの、単体でもじゅうぶん楽しめる作品となっている。

 

 

 

 

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太陽に灼かれた目が徐々に色彩を取り戻していくように、白一色の世界のなかから彼女が姿を現す。

 

この物語の主人公、2Bである。

 

彼女の声を聴いた瞬間、ニーアの世界に戻ってきたのだという確かな実感を得る。

 

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2Bは僚機とともに、工場廃墟跡にある超大型兵器の撃破を目指す

 

編隊を組んで工場廃墟跡へと向かう2Bたちであるが、機械生命体の迎撃に遭い、あっという間に部隊は壊滅。跡地に潜入するころには2Bただ一人となってしまう。

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隊長機が撃墜されたため、その役目を引き継いだ2Bの機体は白色に変わる。彼女たちの搭乗する飛行ユニットは、通常の飛行形態から写真のような機動形態に変形することが可能である

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最後の僚機が撃墜され、自分だけになる2B

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飛行ユニットごと突進し、工場の隔壁を破壊する2B。本作のオープニングを紹介する者はたいてい、このシーンをスクショして使う

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刀を抜く2B。この直前にある、彼女の全身を舐めまわすようなカメラアングルは印象的である

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いざ、地上戦の幕開けである。本来このゲームには敵のロックオン機能があるが、ハードモードではそれが使えないため、近接攻撃、遠隔攻撃ともに自分で狙いを定めなければならない。この操作性については、前作の『ニーア・レプリカント』が思い出され、よりニーア味(み)が増したような気がする。

 

そして敵を倒していくと、2Bのサポートを任されているという、9Sに出会うこととなる。

 

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9Sの声を演じるのは自他共に認める超人気声優の花江夏樹氏である。自身のYoutubeチャンネルではしばしば絶叫したり闇に堕ちたりするが、それでもやはり素敵な声である

 

飛行ユニットに乗っている9Sは空から、2Bは地上から目標である超大型機械兵器を捜索していく。当然、道中には多数の敵がいるわけだが、手持ちの回復薬を使いながら何とか進み続ける。

 

正直なところ、私は決してアクションが得意というわけではないので、この道中が本当に辛かった。時間にすれば二十分もないくらいだが、体感的には一時間くらいに思われたほどである。死にかけては回復し、回復しては死にかけて。自分のせいで辛い思いをしている2Bに対して申し訳なさすら感じられてくる……。

 

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敵の放つ丸い球は、ニーア界隈ではイクラ弾と呼ばれる。これに一度当たっただけでもかなりHPが削られるので、回復薬が見る見る減っていく

 

だがそんな私でも何とか屋外へ到達。やがて巨大なアーム2本が襲いかかってくるが、これも本当に"何とか"退けることに成功した。

 

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そしていよいよ、目標の超大型機械兵器の登場だ。

 

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これが目標の超大型機械兵器である。初見のとき、先のアーム2本がそれだと信じ切っていた私は、思わぬ巨人の出現に「およ?」という声を漏らしたものだった。

 

だが、もうそのころの私はいない。この敵が待ち構えていたこともわかっていたし、攻撃パターンだって記憶している。

 

あとはコイツを倒すだけ。この困難な道のりにも終わりが見え始め、心に少しゆとりが出てくるのを感じる。そう。あとはコイツを倒すだけ。倒すだけ……

 

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およ?

 

 

 

まさかの一撃死である。何ということだろう。一撃死はベリーハードだけに許された死の遊戯ではなかったのか。

 

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本作の数あるエンドのうちの一つ、Wエンド。折れた翼。発売から3年。恥ずかしながら初めて出会ったエンドである。

 

終わりが近いという油断が命取りとなったか。自分の甘さが悔やまれるが、過ぎてしまったことは仕方がない。それに、ボスのところまでは到達したのだ。あとはコイツを倒しさえすればこの長いプロローグにも終わりがくる。

 

そう自分を励ましながら、データをロードした先に待ち構えていたのは……

 

 

 

 

 

 

 

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絶望である。

 

このゲームは確かにオートセーブ非対応であり、その旨の注意が冒頭でなされていたが、まさか本当に最初からスタートするとは。

 

あの長い工場内をまた進まなければならないのか。画面も白いが私の頭の中も真っ白である。

 

しかし、戻ってしまったものは仕方がない。もういちど工場を踏破し、今度こそ超大型機械兵器を倒して見せよう。

 

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道中の敵でも回復を怠っていると一発で倒されてしまう。実際には何度も死んだが、ぜんぶの写真を載せているときりがないのでいちばん見栄えがよいものを選んでおく



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いったいいくつ翼があるんだっていうくらい折れる

 

 

 

 

繰り返される死。

 

折れ続ける翼。

 

そして何度となく聞き続けた2Bの冒頭のセリフ。

 

ー全ての存在は滅びるようにデザインされているー

ー生と死を繰り返す螺旋に……ー

ー私達は囚われ続けているー

 

 

もしかして本当に全ての存在は滅びるようにデザインされているんじゃないか?

そうでなくとも、生と死を繰り返す螺旋には確実に囚われ続けている。

そして折れそうなのは翼ではなく私の心である。

 

思わずコントローラーを置き、Quit Gameに手が伸びそうになる。

 

が、すんでのところで手が止まる。

 

ここで諦めてはいけない。ここで諦めたら、何のために2Bは生と死の螺旋を描き続けてきたのか。何のために、プレーヤーであるお前は二時間弱も工場見学を続けてきたのか。

 

思えば、似たような経験は以前にもあった。幼いころ、ドンキーコング3のウニみたいなボスがどうしても倒せなくて、泣きながら母親に代わってもらった。

 

あのとき、ボスを倒した母が見せた渾身のドヤ顔。

 

そして子供心に刻まれた、屈辱という名の負の聖痕。

 

今でも確信をもって言える。あれは決して親が子にしていい顔ではないと。

 

その母親の鼻を明かしたくて猛練習した幼き日の自分に、恥じないプレイをしなければ。

 

 

 

そう、責任ある一人の大人として。

 

 

 

などという使命感にも似た気持ちでチャレンジを繰り返し、ついに超大型機械兵器を撃破。

 

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目標を撃破するも、満身創痍の2Bと9S。そこへさらに、先ほど倒したものと同型の敵が何体も出現するという、絶望的な光景が広がる。

 

私の頬を涙が伝う。ここまでさんざん苦しみ続けたせいか、感情移入の度合いが尋常ではない。エロイ・エロイ・レマ・サバクタニ。わが神、わが神、なぜあなたは私を見捨てられたのですか。これが、死を運命づけられた者の味わう苦難なのか。

 

これ以上の戦闘は不可能であり、救援信号を発信したとしても助けが間に合うはずもない。自分たちの死を悟った2Bと9Sは、互いのブラックボックス(彼らアンドロイドのコアにあたるもの)を触れ合わせ、その反応による大爆発に敵を巻きこみ消失する。

 

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そして場面が切り替わり、宇宙基地らしき場所でたそがれる2Bの姿が。

 

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あの大爆発に巻き込まれたにもかかわらず、なぜ2Bは生きているのか。そして一緒に死んだはずの9Sはいずこへ。

 

続きはまた今度記載予定です。

 

先に述べたとおりこのゲームはマルチエンディングであり、いつまで記録するかは決めていません。とりあえず、初っ端のAルートのラストまでは書こうと思います。私の心がbrokenしなければ。

 

ご挨拶

初めまして。

 

ヨノギ レイと申します。

 

ふと思い立ってブログを始めました。

 

ゲームや本、映画、音楽などが好きなので、そうしたものについて書いていく予定です。

 

よろしくお願いします。